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度を保つことは比較的容易に実現できる。しかしNAV AIDSの存在しない洋上空域でRNP Xの航法精度を保つには、その航空機の搭載している航法機器によってRNP Xの航法精度を維持できる時間に差が出てくる。ここでは例としてRNP10の場合を考えてみる。
RNP10とは95%の確立で航空機の位置を半径10NMの円内に保つことができる航法精度を意味した。在来B747やDC10に搭載されているINSについては1時間あたりの航法誤差は承認基準上2NM以下となっており、従って最大5時間までは位置情報のアップデートなしでRNP10の航法精度を保つことができることになる。B747−400やMD−11に搭載されているIRSに関しては、承認基準上はINSと同様に考えられており、航法誤差は1時間あたり2NM以下となっているが、構造上の違いから実際の航法誤差はかなり小さく、機体メーカからの情報では10時間程度はアップデートなしでRNPl0の航法精度を維持することができると言われている。FANS機についてはGPSによる位置情報のアップデートが可能なため、洋上でも時間制限なしにRNP4の航法精度を維持することが可能となる。
(3) RNPと航空路の間隔
ある空域がRNP Xと指定されていて、そこに複数の航空路を設定する場合、航空路間隔をどのように決めるのかという問題が当然ながら出てくる。現在は次のようにして設定されている。
RNP Xでは半径NMの円内に航空機は95%の確立で存在する。半径2Xの円を外側に描き、Containment Areaとする(図2.1.1.2−2)。このままで考えると航空路の間隔は4XNMとなるが、実際は更に余裕を持たせて設定される(図2.1.1.2−3)。
NAT MNPSA1はRNP12.6の空域であるが、FLEX TRACKの間隔は60NMで設定されている。太平洋地域で導入が計画されているRNP10の空域ではFLEX TRACKの間隔は50NMで設定される予定である。またFANS機専用経路がもし洋上に設定される場合には、その経路はRNP4として設定され、経路間隔は30NMとなる予定である。

 

1 NATMNPSA:North Atlantic Minimum Navigation Performance Specification Airspace

 

 

 

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